満腹探検隊
満腹探検隊の探検先:丹波路(たんばじ)

分類:和食
所在地:金沢市片町2丁目13−8(金沢中央味食街の一角)

−−−お箸の仕切り線−−−
探検時期:2020年2月  今回の探検目的:宴会の0次会
今回のお品書き:熱燗+丸干しイワシ+イカげそ+冷酒
今回の所要経費:総計1200円
探検隊の報告:
 気持ちよく呑めたね。
 というのも,女将ともあれこれしゃべれたし,お値段もお手頃だったからね。
 宴会の0次会である。いや,この前に午後4時からちょっとした会合があり,そこで缶ビールを2本呑んだから,それが宴会の0次会第1部で,これは宴会の0次会第2部と言うべきか。
 さて,その4時からの会合は5時半過ぎに終わり,宴会の1次会は7時から。つまりは1時間あまりの隙間時間をどうするかだが,迷うことなく1人0次会へと繰り出す。
 向かったのは「新天地」,その奥の「金沢中央味食街」である。まだ行ったことのない店に行ってみようという,「ディープな金沢探検隊」である。
 たどり着いてみれば,ほとんどの店に明かりが灯っていない。やはり日曜日はお休みの店が多いらしい。
 そんな中で,一番奥にあり,緑色の提灯が明るく光るここ「丹波路」を訪ねてみることとする。
 扉を開けると,お客は誰もいない。女将が1人で何やら仕込みをしている。
「1人いいですか?」
「どうぞ。」
 コートを脱いで,6席ほどのL字形のカウンター席の右から2つめに座ると,おしぼりが出てくる。
「寒いねえ。」
「まだまだ外は寒いでしょう。お飲み物は何にしましょうか。」
 そう聞かれて,いつもならビールだが,1次会はビールで始めようという思いと,ビールでは0次会でお腹がふくれてしまいそうなのと,寒いのとで,三拍子揃ったところで,
「ちょっと寒い道を歩いてきたから『熱燗』をお願いします。」
 と頼む。
 ガスレンジにやかんがかけられ,チロリに酒が入り,温められていく。
「熱めの方がいいわね。」
熱燗  女将がチロリを持ち上げて,その底を触って,燗の具合を見ている。
「電子レンジで温めるのも情緒がないでしょ。」
 そう言いながら,できあがった「熱燗」をグラスに入れてくれる。お猪口でもなくグラスであること,お銚子ではなくチロリのままであることが,いかにもディープな居酒屋風。チロリには酒が残り,
「持つところはまだちょっと熱いから,気をつけてください。」
 という言葉を聞きながら,グラスとチロリをカウンターの上に持ってくる。
 ちょっと小腹は空いているのだが,宴会もあるので,熱燗のアテには何にしようかと,冷蔵庫に貼ってある手書きのお品書きを眺める。
「今日のおすすめは?」
「そうねえ,串を焼きましょうか。いや,日本酒呑んでらっしゃるから,丸干しイワシを焼きましょうか。」
「じゃ,それで。」
 と熱燗のアテが決まる。
カウンター席上の飲み物のお品書き  イワシが焼ける間に店を眺めてみると,カウンター席の上にははがき大の呑みもののお品書きがある。その中にあるビールは「サッポロ赤ラガー」と書いてある。思わず言ってしまう。
「ここのビールって,『サッポロラガー』……『赤星』なんですね。これ置いてある店も少ないね。」
「『赤星』だけにしてしまったのは数年前からですかね。いろいろな種類を置いておくのも大変だし,もう1種類だけ。それと,このあたりでは『赤星』を置いてあるお店は結構多いですよ。」
 それから「キンミヤ,ホッピー」なんてお品書きまである。それが会話になる。
「まるで東京の下町の酒場みたいだね。」
「ええ,お客さんに置いてほしいと言われて置くことにしたんですよ。」
「これこそ,なかなか置いてないね。」
「『キンミヤ』の偉い人が3人ほどうちに来たことがありますよ。こんな狭い小さな店に『キンミヤ』を置いてくれてあるのか,って。」
「へぇ〜。」
「それに『三冷』ってのも教えてもらったわね。焼酎とホッピーとグラスの3つを冷やしておくってやつ。お客さんは大抵氷をほしがるんだけどね。」
イワシ丸干し  などという会話をしているうちに丸干しイワシが焼ける。
「焼酎なら,うちは一升瓶を出して,好きなように自分で作ってもらってるの。」
「えっ,そうなの?」
「あるとき,焼酎が薄いとか,濃いとかいろいろ言われましてね。そんなら『好きにして』って感じで,お客さんにお任せですよ。大体呑むっていっても,そんなに呑めるものじゃないし。でも,あるときは2人で一升瓶空けちゃいましたよ。さすがにふらふらになってましたけど。」
 と笑って言う。
 この丸干しイワシがやはり熱燗にはすごく合う。ちょっと苦めのはらわたなんかも,実にいい味で酒のアテになる。
 そうやって時計を眺めながら,熱燗をちびりちびりやる。
「この店って,何年やってるんですか?」
「そうねえ,もう30年になるかな。」
「じゃこの『中央味食街』の中では古い方?」
「5番目くらいかしら。」
「なんで『丹波路』って名前なんですか?」
「私,丹波の篠山の出身なの。」
「ああ,あの黒豆とイノシシで有名な。」
「そうそう。で,いつもはシシ肉取り寄せてるんだけど,昨今の騒ぎで,今年はやめたの。」
イカげそ  そんなことをしゃべっているうちに,イワシもなくなったが,女将が「これどうぞ。」と「イカげそ」を出してくれた。
「そこにあるのが醤油です。」
 と言われ,醤油をさらりとかけていただくが,生姜醤油で美味しくいただける。
 目の前では牛すじ煮込みを作っていたようだが,その鍋に一升瓶の日本酒をちょっとだけ入れる。そして,そのあと,
「この日本酒も残り少し。美味しいから呑んでみます?『福正宗』ですけど。」
冷酒  そう言いながら,グラスに入れてくれた。
 「イカげそ」で,もうちょっと呑みたい気分の時に全くもって素敵なタイミング。
 そうやって流しの方を向いて料理をしている女将だが,なんと横のレンジ台の火が割烹着の袖に移って燃えている。
「わぁっ,燃えてますよ。」
「あらまあ!」
 慌てて水で火を消す女将である。
「焼き台を変えたらちょっと大きかったのよね。それで,ガスレンジが横に寄って,流し台に近くなったの。で,毎年5枚くらいは割烹着を焼くわ。」
 すると,今年1枚目の焼き割烹着か。
 そうこうするうちに時間も7時に近づいてきた。もらった冷酒を飲み干し,お会計である。すると請求額が1200円。思わず,
「安いねえ。」
 と言うと,
「こんなものよ。」
「でも,この『中央味食街』でも,そんなに安くないなあって店もありますよ。」
「そういう時はね,聞くのよ。この間もね,このあたりで2人で呑んでて12000円くらいだったって。だから2度目に1人で行ったらまた6000円くらい。『これはどんな値段か』って聞いたら『うちはこれでやってます』ってだけの答えだけだったって。」
 そんな女将の言うことを聞きながら,おつりをもらって,コートを着る。
 短い時間のちょい呑みだったが,十分満足の一人宴会であった。
 さて,木倉町の1次会の会場に向かいますかね。

 割烹着に 丸干しイワシも 焼ける宵

−−−ビールの仕切り線−−−
探検隊おまけの報告:今回は特にありません。
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ここまでの酒場探検隊の「金沢中央味食街」の記録
金沢の味 満月(まんげつ)
元気屋台 そのちゃん
洋風屋台 きまぐれ
癒し処 一休庵 恵子(いっきゅうあん けいこ)
うまいぞいや 哲(てつ)
びあだるBJ(ビージェイ)
−−−ビールの仕切り線−−− 「金沢中央味食街」のウェブサイト(外部リンク)

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